Archive for the ‘お知らせ’ Category

偏光子と旋光計

2015-10-16

旋光計は、溶液中の「光学異性体」の純度や濃度を測定するための装置です。光学異性体は光学活性物質とも呼ばれ、偏光面を回転させる性質があります。偏光面の回転の度合い、即ち「旋光度」は、溶液中の光学異性体の濃度に比例するので、偏光測定を行うことで、その純度や濃度の測定ができるのです。無題

身の周りの光学異性体としては、砂糖やL‐グルタミン酸ソーダなどが挙げられ、砂糖の主成分であるショ糖の他、薬品や食品添加物には旋光性を有するものがあり、医薬品、製糖、食品分野などで、純度試験や品質管理・研究開発等に利用されています。医学においては糖尿病患者の血中糖濃度を測定するのに用いられています。

ガラス偏光子 Glapola®は高い消光比を持つことから、旋光計に必要となる「偏光面の変化」をより細かく、高精度に読み取ることが可能となります。光源にレーザーを用いた際に懸念される素子の劣化も生じず、安心してご使用になることが出来ます。是非お試しください。

偏光子と液晶シャッター

2015-09-03

液晶シャッターは外部から印加される電圧によって光量を制御するデバイスです。主にカメラ、レーザーシャッター、マイクロスコープ等に応用されています。

偏光子は一定の方向に振動する光のみを透過させる光学的なフィルターですが、液晶シャッターは、一般に液晶セルが偏光軸を90°クロスさせた2枚の偏光子に挟まれている構造となっています。液晶の分子配列・配向(ねじれ構造/直列構造)を駆動電圧のオンオフによって制御することにより、出射側の偏光子で光を透過/遮断、即ちオンオフさせることができます。さらに、印加電圧を変調すれば、透過状態と遮断状態との間の状態をアナログ階調することが可能です。

液晶テレビも基本原理は同じです。光の3原色であるRGBのフィルターと上述の液晶シャッターとを組み合わせて一つの画素とし、縦横平面上に並べれば液晶カラーテレビとなります。液晶表示デバイスは、

デジタルカメラ、携帯電話、パソコン、電卓、家電の操作表示器等々、枚挙に暇が無いほどの多種多様な分野で使用されていますが、そこには必ず偏光子が使用されているのです。

無題

 

偏光ビームスプリッタと用途例-その3 マイケルソン干渉計

2015-07-01

偏光ビームスプリッタは、光ピックアップ、半導体・液晶露光装置、レーザー干渉計、測量機、振動計、各種測定器などに使用されます。以下に、偏光ビームスプリッタの用途をマイケルソンレーザー干渉計を例にとってご紹介・ご説明します。

レーザー光のような規則正しい周期をもった光波を2つに分けた後再合成すると、干渉縞が現れます。干渉計とは、この干渉縞を解析して被検体の表面形状や透過波面形状を求める装置です。

下図はマイケルソン干渉計のイメージ図(構成例)ですが、例えばレーザー光のコヒレント長計測に利用することができます。2つあるミラーのうちの1つを参照光として固定し、もう1つのミラーを移動させながら干渉強度を観察すると、2つのミラーの光路長に差ができるに従って、干渉縞のコントラストがだんだん悪くなり、最後には干渉を起こさなくなります。干渉を起こさなくなるまでの距離をコヒレント長と呼びます。 逆に、波長が分かれば、ミラーの移動距離が精密に測定できます。これはレーザー測長で、距離・寸法の測定に使われています。

当社では、透過したp波、反射したs波がどちらも50dB以上の消光比を有するキューブ型ビームスプリッタ「Glapola-Cube」(グラポラキューブ)の開発に成功し、様々なお客様から干渉縞が良好になったとのご連絡をいただいております。ご希望の特性、用途に応じて素子をお選びいただけますので、どうぞお試しください。

無題

偏光ビームスプリッタと用途例-2

2015-06-16

偏光ビームスプリッタは、入射光をp偏光成分とs偏光成分とに分割することができる偏光分離素子です。弊社では、平板タイプのPBS(市販板状ガラスに偏光分離膜を蒸着したもの)、キューブタイプのPBS-Cube(2つの直角ガラスプリズムで偏光分離(蒸着)膜を挟み込んだもの)、板状ガラス偏光子Glapola(グラポラ)に偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBS、このGlapola-PBSを2つの直角ガラスプリズムで挟み込んだGlapola-Cube、の4種の偏光ビームスプリッタをラインナップしており、ご希望の特性、用途に応じて素子をお選びいただけます。特に平板タイプのGlapola-PBS、キューブタイプのGlapola-Cubeは60dB以上の極めて優れた直線偏光性能を有しております。

偏光ビームスプリッタは、光ピックアップ、半導体・液晶露光装置、レーザー干渉計、測量機、振動計、各種測定器などに使用されます。

以下に、偏光ビームスプリッタのホログラフィー技術への応用例を示します。

 

ホログラフィーとは3次元像を平面に記録・再生する技術のことであり、その3次元像の情報を記録した感光媒体をホログラムと呼びます。

レーザー光を下図のようにビームスプリッタで2つに分割し、一方の光は物体に照射して反射光を生じさせ「物体光」とし、もう一方の光は「参照光」として両者を記録材料に照射します。2つの光は干渉を起こし記録材料上で干渉縞が発生します。つまり、記録材料には、物体からの光の情報が干渉縞として記録されることになります。ホログラムの完成です(図1)。

ホログラムを再生するためには、記録したときの参照光と同じ光をホログラムに照射します。反対方向から見ると、物体のあった位置に本物そっくりの像が見えます。実際には物体がなくても、観察者の眼にはそこにあたかも物体があるかのように、本物そっくりの3次元立体像(虚像)が見えるのです(図2)。ホログラムは「物体光」と「参照光」によって生じた細かい周期構造を持つ干渉縞を記録しており、この干渉縞による回折現象によってこのような不思議な画像を見ることができるのです。

通常のビームスプリッタの代わりに偏光ビームスプリッタを使用することで、より効率的に光を分割することができます。さらに、優れた偏光特性(特に消光比)を有する偏光ビームスプリッタを使用することで、より高精度・高精細な虚像を得ることができます。

ホログラム露光-再生

Glapola-Plusのコーティングについて

2015-06-01

 Glapola-Plus(グラポラプラス)は、ガラス偏光子Glapola®単体、または偏光分離膜単体では達成できなかった高い消光比(60dB)が、これら両者の組み合わせによって、可能となりました。

 偏光分離膜は一般的に真空蒸着法やイオンビームアシスト蒸着法により成膜されます。真空蒸着において、蒸発された蒸着粒子が基板に到達する際の力学的運動エネルギーは、基板加熱による熱エネルギーのみとなることから、0.1[eV]~1.0[eV]程度です。

一方、イオンビームアシスト蒸着法などのイオンを活用した蒸着の場合、材料を加熱した際の熱エネルギーに,活性化されたイオンのエネルギーが加わることにより、力学的運動エネルギーは、200[eV]~1000[eV]にも達します。このため、イオンビームアシスト蒸着法によって蒸着された膜は、真空蒸着法の膜に比べ、緻密で平滑な膜となり、散乱も小さく、膜の物理的強度も高くなります。

Glapola-Plusはこのイオンビームアシスト蒸着法を用いた蒸着にて膜を形成していることから、光のロスが少ない良好な偏光特性を実現いたします。ぜひ一度お試しください!

Glapola-Plus .COM用画像150601

ガラス偏光子を使ったセンサー応用例

2015-05-13

ガラス偏光子Glapola®は可視光領域のほか、800~1600nmの近赤外にも使用できる偏光素子です。粉塵センサーや人感センサーなどに用いられる検出精度を向上させるフィルタとして、近赤外線センサーなどへの応用も期待されております。ガラス偏光子Glapola®は吸収型のガラス偏光子であることから、ガラス表面に反射防止コートや防汚コート、バンドパスフィルタを直接コーティングすることが可能です。偏光子と光学フィルタの機能をあわせ持った機能を持っていることから、装置の部品点数削減によるコスト削減などにも役立ちます。

添付

 

偏光ビームスプリッタと用途例

2015-04-30

偏光ビームスプリッタは、入射光をp偏光成分とs偏光成分とに分割することができる偏光分離素子です。弊社では、平板タイプのPBS(市販板状ガラスに偏光分離膜を蒸着したもの)、キューブタイプのPBS-Cube(2つの直角ガラスプリズムで偏光分離(蒸着)膜を挟み込んだもの)、板状ガラス偏光子Glapola(グラポラ)に偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBS、このGlapola-PBSを2つの直角ガラスプリズムで挟み込んだGlapola-Cube、の4種の偏光ビームスプリッタをラインナップしており、ご希望の特性、用途に応じて素子をお選びいただけます。特に平板タイプのGlapola-PBS、キューブタイプのGlapola-Cubeは60dB以上の極めて優れた直線偏光性能を有しております。

偏光ビームスプリッタは、光ピックアップ、半導体・液晶露光装置、レーザー干渉計、測量機、振動計、各種測定器などに使用されます。以下に、偏光ビームスプリッタの用途を光ピックアップを例にとってご紹介・ご説明します。

上図は便宜上、光源から光が出射されたときの様子を、下図は反射された光が戻ってくる様子をイメージとして示したものです。上図において、半導体レーザーから出射された光は、偏光ビームスプリッタを透過して垂直方向にのみ振動する直線偏光となります。(水平方向に振動する光は、偏光ビームスプリッタにて分離されてこの図の上方に反射されますが、ここでは図示していません。)1/4波長板を透過すると直線偏光が円偏光に変換されます。この円偏光がCD等の反射層で反射されます。その際、反射に伴って円偏光の回転方向が逆方向に変わります。

下図において、反射された信号光である円偏光は再び1/4波長板を透過します。このとき円偏光は直線偏光に変換されますが、円偏光の回転方向が異なるため、さきほどとは振動方向が90°異なる水平方向に振動する光となります。この水平方向に振動する光は偏光ビームスプリッタにて反射されて、フォトダイオード(光検出器)に入射します。半導体レーザー側に反射光は戻らず、レーザーの損傷を防止することができます。

これら偏光ビームスプリッタの仕様も含め、ガラス偏光子ハンドブックに詳細が書かれておりますので、是非お問い合わせください!

PBS使用例図(クリックで拡大できます)

PBS使用例図(クリックで拡大できます)

 

ガラス偏光子について

2015-03-06

液晶プロジェクターなどの機器において、小型化が大きく進むと中でより大きな画像をより鮮明な解像度で投影することが必要になってきています。それとともに、より明るい高原やより小さな液晶素子のニーズも大きく高まりつつあります。
その結果、液晶素子の前後の偏光子にもより強い光が導入されることになり、高い耐熱性と耐光性が必要とになって来ました。
そうしたニーズを受け、当社では吸収型ガラス偏光子(Glapola®)を開発いたしました。

吸収型無機ガラス偏光子(Glapola®)は、ナノサイズの金属微粒子の精密制御技術に基づき、偏光層を基板内部に析出しており、表面への蒸着が可能な点が特長です。そのため、吸収型無機ガラス偏光子(Glapola®)は、可視から近赤外までの幅広い波長帯域で偏光特性を発揮。偏光分離膜による偏光分離、裏面反射膜によるS波吸収ミラー、波長選択膜による単色波長のP波取り出しも可能となります。これらの特性により、設計者様から、『高輝度ランプの使用できるようになったおかげで、画面の高輝度化が実現できた!』『高エネルギー密度の光が利用出来るために、装置の小型化、軽量化が可能になった』などの評価をいただけております。

また、吸収型無機ガラス偏光子(Glapola®)は、耐熱性ガラスとして通常使用されるホウ珪酸ガラスを母材としています。そのために、樹脂フィルムに比べて圧倒的に優れた耐熱性と耐光性を持ちます。『熱や光による性能の劣化が無いため、良好な画質が長時間に亘って維持出来る。』『耐熱設計の簡略化が可能になった。』 などの設計者様からの高い評価を頂いております。
加えて、ワイヤーグリットタイプの無機偏光子にはない「ハンドリング性」の良さと「表面反射率」の低さを実現。高コントラストの吸収型ガラス偏光子をカスタムメイドでご対応することが可能です。さらに、この無機ガラス偏光子と弊社の多層膜技術を生かした『ガラス偏光子型偏光ビームスプリッター』の開発にも成功)。これまでの偏光ビームスプリッターには無い極めて高い消光比(60dB以上)を実現しており、様々な用途への導入が実現しております。

耐熱性や耐光性といった機能的な特性をお望みの方、高輝度化及び小型化を設計を通じて実現が必要な方は、是非一度私たちにご相談ください。

 

ホームページを公開致しました。

2014-08-24

ホームページを公開致しました。

偏光子の技術相談室

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岡本硝子株式会社

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