偏光ビームスプリッタと用途例-2

2015-06-16

偏光ビームスプリッタは、入射光をp偏光成分とs偏光成分とに分割することができる偏光分離素子です。弊社では、平板タイプのPBS(市販板状ガラスに偏光分離膜を蒸着したもの)、キューブタイプのPBS-Cube(2つの直角ガラスプリズムで偏光分離(蒸着)膜を挟み込んだもの)、板状ガラス偏光子Glapola(グラポラ)に偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBS、このGlapola-PBSを2つの直角ガラスプリズムで挟み込んだGlapola-Cube、の4種の偏光ビームスプリッタをラインナップしており、ご希望の特性、用途に応じて素子をお選びいただけます。特に平板タイプのGlapola-PBS、キューブタイプのGlapola-Cubeは60dB以上の極めて優れた直線偏光性能を有しております。

偏光ビームスプリッタは、光ピックアップ、半導体・液晶露光装置、レーザー干渉計、測量機、振動計、各種測定器などに使用されます。

以下に、偏光ビームスプリッタのホログラフィー技術への応用例を示します。

 

ホログラフィーとは3次元像を平面に記録・再生する技術のことであり、その3次元像の情報を記録した感光媒体をホログラムと呼びます。

レーザー光を下図のようにビームスプリッタで2つに分割し、一方の光は物体に照射して反射光を生じさせ「物体光」とし、もう一方の光は「参照光」として両者を記録材料に照射します。2つの光は干渉を起こし記録材料上で干渉縞が発生します。つまり、記録材料には、物体からの光の情報が干渉縞として記録されることになります。ホログラムの完成です(図1)。

ホログラムを再生するためには、記録したときの参照光と同じ光をホログラムに照射します。反対方向から見ると、物体のあった位置に本物そっくりの像が見えます。実際には物体がなくても、観察者の眼にはそこにあたかも物体があるかのように、本物そっくりの3次元立体像(虚像)が見えるのです(図2)。ホログラムは「物体光」と「参照光」によって生じた細かい周期構造を持つ干渉縞を記録しており、この干渉縞による回折現象によってこのような不思議な画像を見ることができるのです。

通常のビームスプリッタの代わりに偏光ビームスプリッタを使用することで、より効率的に光を分割することができます。さらに、優れた偏光特性(特に消光比)を有する偏光ビームスプリッタを使用することで、より高精度・高精細な虚像を得ることができます。

ホログラム露光-再生

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