偏光子の用途・光アイソレーター

レーザー光源から出た光は、光学素子による僅かな反射などによって光源に戻ってくることがあります。この「戻り光」は光源の出力を不安定にさせたり、ノイズとして検出されることもあります。高出力レーザーのような光源の場合、この戻り光が光源自体を破壊させることもあります。この戻り光を遮断するデバイスを一般的に「光アイソレータ」と呼び、光源の安定や破壊の防止用として広く使われています。

光アイソレータの原理図を示します。光アイソレータは偏光吸収軸が45度傾いた2枚の偏光子の間に、ファラデー回転角が45度のファラデー回転子を挟んだ配置になっています。ファラデー回転子は、磁界により光の偏光面を回転させる磁気光学効果(ファラデー効果)を持っており、下図のようにファラデー回転子に磁界をかけると、非相反性材料として使用しているガーネットの作用により、順方向(光源からの光)と逆方向(光源に戻る光)で振動する光の方向が逆方向に回転します。順方向では、光源から出た光は偏光子Aを透過し、ファラデー回転子により振動方向が左方向に45度回転するため、45度傾けて配置した偏光子Bを透過することができます。一方、逆方向(光源に戻る)光の場合、振動方向が右方向に45度回転するため、偏光子Aによって遮断され、光源の損傷を防止することができるのです。