偏光ビームスプリッタと用途例
偏光ビームスプリッタは、入射光をp偏光成分とs偏光成分とに分割することができる偏光分離素子です。弊社では、平板タイプのPBS(市販板状ガラスに偏光分離膜を蒸着したもの)、キューブタイプのPBS-Cube(2つの直角ガラスプリズムで偏光分離(蒸着)膜を挟み込んだもの)、板状ガラス偏光子GlapolaⓇ(グラポラ)に偏光分離膜を蒸着したGlapola-PBS、このGlapola-PBSを2つの直角ガラスプリズムで挟み込んだGlapola-Cube、の4種の偏光ビームスプリッタをラインナップしており、ご希望の特性、用途に応じて素子をお選びいただけます。特に平板タイプのGlapola-PBS、キューブタイプのGlapola-Cubeは60dB以上の極めて優れた直線偏光性能を有しております。
偏光ビームスプリッタは、光ピックアップ、半導体・液晶露光装置、レーザー干渉計、測量機、振動計、各種測定器などに使用されます。以下に、偏光ビームスプリッタの用途を光ピックアップを例にとってご紹介・ご説明します。
上図は便宜上、光源から光が出射されたときの様子を、下図は反射された光が戻ってくる様子をイメージとして示したものです。上図において、半導体レーザーから出射された光は、偏光ビームスプリッタを透過して垂直方向にのみ振動する直線偏光となります。(水平方向に振動する光は、偏光ビームスプリッタにて分離されてこの図の上方に反射されますが、ここでは図示していません。)1/4波長板を透過すると直線偏光が円偏光に変換されます。この円偏光がCD等の反射層で反射されます。その際、反射に伴って円偏光の回転方向が逆方向に変わります。
下図において、反射された信号光である円偏光は再び1/4波長板を透過します。このとき円偏光は直線偏光に変換されますが、円偏光の回転方向が異なるため、さきほどとは振動方向が90°異なる水平方向に振動する光となります。この水平方向に振動する光は偏光ビームスプリッタにて反射されて、フォトダイオード(光検出器)に入射します。半導体レーザー側に反射光は戻らず、レーザーの損傷を防止することができます。
これら偏光ビームスプリッタの仕様も含め、ガラス偏光子ハンドブックに詳細が書かれておりますので、是非お問い合わせください!